一緒にいて居心地のいい人はどんな話し方をしているか。話し方講師の野口敏さんは「コミュニケーションには、実は映像を使っている。たとえば『子どもの頃、よく見ていたアニメは?』と聞かれたら、頭にまず浮かぶのはルフィなどの映像で、それを『ワンピース』と言葉に換えて答えている。そのため頭の中で描いている映像を相手がイメージできるように話すと、そこに一体感が生まれる」という――。

※本稿は、野口敏『どんな人とも楽しく会話が続く話し方のルール』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

コーヒーを手に話す若者のグループ
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どんな環境でも「歓迎される人」のコミュニケーションの方法

私たち日本人はこの50年あまりで所得が5倍以上になり、平均寿命も20年以上延びています。しかし、それにもかかわらず、幸福度は50年前とさして変わっていないということをご存じでしょうか。

この50年で私たちが変えてしまったのは、人との関係です。あまりにプライバシーが強調され、まるで他人とのあいだに透明な壁がつくられてしまったような感じがします。

個人的な話や立ち入った話題に必要以上に触れてはいけない。そんな感覚で人と接しなければならないから、現代のコミュニケーションはむずかしいのです。

人とのあいだに距離ができれば、伝わってくる温度も低くなります。温かな気持ちをやりとりする機会が減れば、心は寂しくなってしまうでしょう。そんな時代だからこそ、話をしたときに温かさを感じさせる人が求められます。

「一緒にいて、とても居心地のいい思いをさせてくれる人」

そういう人は、どんな相手からも、またどんな環境に移っても歓迎されます。

では、一緒にいて居心地のいい人とは、どんな人なのでしょうか。

それは、まず「自分自身が幸せである」ということ。

そういう人が他人に居心地がよく、幸せな思いをさせるのは、その幸せな気持ちを積極的に表現するからです。