北欧の国が人種差別問題で炎上
連日SNSやメディアで騒がせていた「つり目」問題。発端は今年度のミス・フィンランドに選ばれたサラ・ザフチェさんがSNSに「中国人と食事中」というキャプションをつけ、自身の両目を指で引っ張る「つり目ポーズ」の写真を投稿したことでした。
「つり目ポーズ」は、かねてより「アジア圏以外の国の人が東洋人をバカにする時に使われる仕草」です。ミス・フィンランドの行為は人種差別だとの非難が殺到し、彼女はミス・フィンランドの称号を剥奪されました。
これだけでもひと騒動でしたが、騒ぎはさらに激化。その後、フィンランドの一部の政治家が「サラ・ザフチェさんのミス・フィンランドの称号剥奪処分は厳しすぎる」と反発。右派連立政権のポピュリスト政党であるフィン党のカイサ・ガレデウ議員、ユホ・エーロラ議員、そしてセバスティアン・ティンキュネン欧州議会議員の3人が、あろうことか「つり目ポーズをする自身の写真」をSNSに投稿したのです。
なぜ公人であるにもかかわらず、このような差別的な行為をすることを厭わなかったのか。ここでは、ヨーロッパに根深く残るアジア人差別について考えます。
Mikä oli todistettava. pic.twitter.com/03dlciDvT7
— Otto Meri (@OttoMeri) December 12, 2025
「目をつり上げる仕草」でからかう
「指で目をつり上げる仕草」を用いて、中国人、日本人、韓国人などのアジア人をバカにするヨーロッパ人は昔からいました。筆者は1980年代のドイツで子供時代を過ごしましたが、当時、この手の「からかい」を経験しました。
ドイツ人の父親と日本人の母親のあいだに生まれた筆者は、子供の頃、「パッと見て必ずしも日本の血が入っているとは分からない」容姿でした。でも子供ですから、公園で遊んでいれば母親(日本人)が迎えに来ることがあります。迎えに来た母親が東洋人だと分かるないなや、周囲の子供が「やーい、やーい、中国人、中国人! チンチャンチョン、チンチャンチョン、チンチャンチョーン!」という言葉とともに、私と母親に向かって「目をつり上げる仕草」をするのは「お決まりのこと」でした。

