高市早苗首相の公式サイトに掲載されていた約1000本のブログ記事が全て削除され、物議を醸している。削除前にブログの検証記事を書いたライターの中野タツヤさんは「ブログには『消費減税』以外にも矛盾する内容が散見される。全削除するのではなく、なぜ考えが変わったのかを丁寧に説明する必要があるのではないか」という――。
衆院本会議で、中道改革連合の小川代表の代表質問に答弁する高市首相=2026年2月24日午後
写真提供=共同通信社
衆院本会議で、中道改革連合の小川淳也代表の代表質問に答弁する高市早苗首相=2026年2月24日午後

高市首相の公式ブログ「全削除」が大炎上

高市早苗首相が公式ブログの全記事を削除して逃亡した――。

その驚くべきニュースがネット上で話題となったのは、2月17日の夜だった。

拙稿〈「消費減税は私の悲願」は真っ赤なウソ…公式ブログ記事1000本を検証して判明「増税政治家・高市早苗」の正体〉は2月17日の朝6時に公開した。

その後、X上で公式ブログ削除が話題になったのは17日18時~19時であることを鑑みるに、17日の正午~18時の間にブログ削除が実施されたと推測できる。

ブログの削除がプレジデントオンラインの記事公開後に実施されていることを考えると、反響に驚いた高市首相サイドが慌てて消した、と見ることもできる。少なくとも、ネット上ではそう見ている人が多いのは間違いない。

これについて高市早苗事務所に質問状を送ると、「HPについては、衆議院議員選挙運動期間中は選挙向けの内容にしていましたが、これを通常のものに戻すに当たり、総理になってからコラムを書く時間もなく、更新できていなかったこともあり、HPそのものをシンプルにするための見直しを行ったものです」との回答があった。

ただ、削除を実施した時間や、ブログの管理体制など、詳細な点については回答がなかったため、「筆者の記事の反響を見てブログを削除した」という疑惑は解消していない。

この「ブログ全削除」という対応が、余計に火をつけてしまった。翌18日には「ブログ全削除」というワードがX上でトレンド入り。各メディアも続々と記事にし始め、朝日新聞までが「ブログ全削除」を報じる事態となった。

削除してもアーカイブで見れるのに…

そして2月24日の衆院代表質問では、中道改革連合の小川淳也議員から「ブログ(コラム)全削除」の理由を問われ、高市首相は「首相になってからコラムを書く時間もなく、ずっと更新できていなかったこともあり、コラム欄は削除した」と説明した。

そもそも、「ブログ全削除」に意味はあるのか。

ネット上にはアーカイブが残っている。筆者の手元でも「高市ブログ」全記事のタイトル・URLを保存しており、過去の投稿を検証することは可能だ。

また、Xをはじめとするネット上には、「全削除して逃亡したことで余計疑わしくなった」という投稿があふれており、筆者も同意見だ。

仮に、高市首相の消費税に関する過去の投稿が、現在の首相の考えと異なり誤解を与えるというなら、なぜ考えが変わったのかを説明すればよかったはずだ。

最悪削除するにしても、当該記事だけ削除すれば十分だったように思う。全削除したことで、他にも何か隠蔽したいことがあったような印象を与えてしまった点は、広報対応としては失敗だったのではないか。

とは言うものの、仮に衆院選の時点で「消費減税は悲願」は「ウソ」だったとしても、高市首相がこれから消費減税に本気で取り組むなら、結果的に「ホント」にもなり得る。

では、首相はこれから消費減税に本当に取り組んでくれるのだろうか。