高市首相本人も参加できない?
だが「給付付き税額控除を認める」が参加条件となると、実は高市首相本人も国民会議に参加できなくなるという事実を、恐らく小林政調会長はご存じないのだろう。
2012年6月17日付の高市ブログ「税と社会保障の『3党合意』を急いだ党執行部」にはこうある。
第2に、自民党は「複数税率」(例えば、食料品や医薬品や新聞等を低税率にする)を主張してきましたが、合意案では、民主党が主張する「給付付き税額控除」(低所得者対策)も検討事項として併記されることになっていました。
これでは、例えば、課税所得270万円までの方は住民税も所得税も消費税も負担せずに福祉を享受することとなり、住民税も所得税も消費税も全て負担する所得層の方々がそのコストを被ることになってしまいます。
特に給付型は、新たなバラマキ政策です。
あまりにも「もらう人と稼ぐ人の2分化」を推進する政策が増えると、「弱者のフリ」をして負担を逃れる人が増える可能性もあり、勤勉に働いて真面目に税や社会保険料の負担をしている多くの方々のモチベーションを損ねることになりかねません。
つまり、高市首相はかつて「給付付き税額控除には反対」と明言し、その上「新たなバラマキ政策」だとこき下ろしていたわけだ。
2021年に自民党総裁選に出馬して以降の高市首相はまるで手のひらを返したように「給付付き税額控除」に賛成し始めるのだが、なぜ立場が変わったのかはどこにも書かれていない。国民の前できちんと説明すべきではないだろうか。
野党時代の自民党も「何でも反対」
2011年当時は民主党政権であり、当時の自民党は「民主党のやることは何でも反対」という姿勢が強かったように思われる。よく「野党は何でも反対」と言われるが、野党時代の自民党もそうだったわけだ。
高市首相も自民党の方針に従っていただけなのかもしれないが、重要政策への立場がコロコロ変わっていると国民としては不安だ。結局、選挙を意識して国民に受ける説明をしているだけで、政権の本音は別にあるのではないか、という疑問が生じてくる。
それを裏付けるのが、次に引用する2011年11月29日付の高市ブログ「野田内閣への疑問②:TPPに関する考え方」だ。
外交交渉に関する権限は内閣にありますので、国会の意思を反映できるのは内閣が締結した条約の批准手続の段階になってしまいます。
しかし、自民党では、私も含めて圧倒的多数の衆議院議員が、TPP交渉参加について慎重な対応を求める請願書の衆議院提出紹介議員になりました。
このように、高市首相が「TPP交渉参加に反対」だったことがわかる。
一方、自民党が政権に返り咲いた後の2013年4月21日の高市ブログ「TPP交渉と農林水産戦略の構築。これからが本番だ!」にはこうある。
TPPに限らず、国際交渉の「入口」は、政府の専権事項です。
だからこそ、自民党は、「政権公約」の記載内容を遵守することを前提に、総理に判断をお任せすることに決めました。
たった1年ちょっとで高市氏の主張が逆回転し、「TPP交渉入りOK」に変わってしまっている。



