アメリカはイランに対する大規模軍事作戦「壮絶な怒り作戦」で、最高指導者ハメネイ師など政権中枢を攻撃・殺害した。だが、戦況は停滞した。なぜか。軍事ライターの稲葉義泰さんは「ミサイル発射装置をはじめとする各種兵器なども無力化していることは間違いないだろう。しかし、航空攻撃だけで全て無力化することはそもそも不可能だ」という――。
イラン戦争で登場した「新兵器」
2026年2月28日に開始されたアメリカによる対イラン軍事攻撃は「Operation Epic Fury(壮絶な怒り作戦)」と命名され、4月現在も継続中である。
この作戦に際して、アメリカ軍はイラン国内の軍事目標を攻撃するにあたり、各種の長射程誘導兵器を投入したが、中には今回が実戦への初投入となったものや、これまで存在すら知られてこなかった新種の兵器まで登場した。
そこで、今回アメリカ軍がイラン攻撃に投入した各種の新型兵器について、簡単に整理してみよう。
安価で大量生産可能な自爆ドローン「LUCAS」
まずは、アメリカ軍が2025年に配備を開始したばかりの「LUCAS(Low-cost Uncrewed Combat Attack System:低価格無人戦闘攻撃システム)」だ。LUCASは、いわゆる自爆型無人機に分類される兵器で、地上もしくは艦艇に設置された発射装置から射出され、最大で800km先の目標を攻撃することが出来る。
全長は3m、翼幅は2.4mと非常にコンパクトであるため、その威力や飛行速度は巡航ミサイルなどとは比べ物にならないが、しかしその分1発当たりの価格が約3万5000ドル(約500万円)と非常に安いという特徴がある。
そのため、堅固に守備された敵の重要施設などは引き続き巡航ミサイルで攻撃する一方で、その他の費用対効果の悪い目標に対してはこのLUCASを使用するなど、目標に応じた使い分けが可能となるわけだ。
また、価格が安価であり、構造もシンプルであるため大量生産も可能であり、戦時の消費に対して迅速に対応することが可能というのも重要な特徴だ。

