イラン製自爆ドローン「シャヘド136」をパクった

皮肉なことに、このLUCASはイラン製の同種兵器をリバースエンジニアリングしたものだ。数年前、アメリカ軍は、イラン製の自爆型無人兵器であるシャヘド136を回収し、それをアメリカ本国に持ち帰って分析した。そして、そこからさらに改良を加えて完成したのが、このLUCASである。そのため、アメリカ中央軍のブレッド・クーパー司令官は、記者会見でこのLUCASについて質問された際、「我々はそれ(シャヘド136)を鹵獲し、中身を取り出し、アメリカに送り返し、『アメリカ製』と少しだけ書いて、中東に持ち帰り、イランに向けて撃っているのだ」と説明している。

ATACMSに代わる短距離弾道ミサイル「PrSM」

続いて、新型の地対地ミサイルである「PrSM(Precision Strike Missile:精密誘導ミサイル)」だ。

PrSMは、アメリカ陸軍が運用してきた「ATACMS(Army Tactical Missile System:陸軍戦術ミサイルシステム)」を置き換える短距離弾道ミサイルで、射程は約500kmである。

PrSMは、現在アメリカ陸軍が運用しているM270多連装ロケットシステム(MLRS)およびM142高機動ロケット砲システム(HIMARS)から発射することが可能で、M270には4発、M142には2発をそれぞれ搭載することが出来る。

今回のイラン攻撃では、アメリカ陸軍のHIMARSから発射されたPrSMが実戦投入されたことが確認されている。

HIMARSから発射された「PrSM」
出典=ロッキード・マーティン
HIMARSから発射された「PrSM」

現在、アメリカ軍で運用されているのはPrSMの初期型である「インクリメント1」と呼ばれるタイプで、敵の固定目標(施設など移動しない目標)を攻撃することはできるが、たとえば艦艇などの移動目標を攻撃する能力は有していない。

しかし、現在開発が進められている能力向上型の「インクリメント2」では、ミサイルの先端に目標を捉えるためのセンサー(シーカー)が搭載されるため、洋上を移動する敵の艦艇を攻撃することが出来るようになる。

また、射程に関しても大幅な向上が予定されている。というのも、PrSMの開発当初には、1988年に米露間で結ばれた中距離核戦力全廃条約(INF条約)により、両国は射程500km~5500kmの地上発射型弾道ミサイルの保有が禁じられていた。そのため、インクリメント1は射程が499kmに制限されていた。

しかし、2019年にこれが失効したため、現在開発が進められているインクリメント2以降は射程1000kmの実現を目指すとされている。