謎の新兵器「黒いトマホーク」
最後に、今回投入された兵器の中で最も謎多き存在とみられるのが、黒色塗装のトマホークだ。
トマホークは、アメリカ海軍の水上艦艇および潜水艦から発射される長射程の巡航ミサイル。GPS(汎地球測位システム)や地形照合システムなどを駆使し、約1600km先の標的を精密に攻撃する能力を有している。
トマホークは、1991年の湾岸戦争で初めて実戦投入されて以来、これまでに2300発以上も使用されてきた、いわば冷戦後におけるアメリカの軍事力行使の象徴ともいうべき存在である。
運用開始以来、トマホークは各種の能力向上が行われており、現在運用されている最新型の「ブロックV」では、飛行中の目標更新機能と航法機能を維持する航法・通信システムの改良が実施されている。
そんなトマホークだが、今回のイラン攻撃に際してアメリカ軍が公開した画像の中には、これまで知られてこなかった黒色塗装のトマホークが混じっていたことがアメリカの軍事専門誌などで注目を集めた。
一部の見立てでは、このトマホークは先述したブロックVの派生型であり、洋上の移動目標を攻撃可能なようにシーカーを搭載した「ブロックVa MST(Maritime Strike Tomahawk:海上攻撃型トマホーク)」ではないか、との見立てもされているが、詳細は不明だ。
黒い塗装は「ステルスコーティング」か
ただ、この黒色塗装は単に黒い塗料を塗っただけ、というわけではないはずだ。実際、アメリカ海軍が運用している長射程空対艦ミサイルの「LRASM」も、同様の黒色塗装が施されているが、これは敵のレーダーや赤外線センサーによる探知を困難にするためのステルスコーティングであると考えられている。
とすると、今回確認されたトマホークも、試験的にこうしたステルスコーティングを施したものなのかもしれない。

