事前の見積もりが甘かった可能性
アメリカ軍により撃破されるリスクを最小限化するため、イランはたとえばミサイルを搭載した車両が地上に出てきて射撃準備をし、攻撃を行うという一連の活動が低調になったとしても、生き残っている限りは活動がゼロになるわけではない。
また、2025年6月のアメリカおよびイスラエルによる攻撃と併せて、おそらくイランの防空システムは相当ダメージを受けており、少なくともアメリカ軍が航空機を飛行させている地域においては、組織的な防空戦闘は難しいはずだ。それでも、個人の携帯型地対空ミサイルなど、個々の対空兵器は機能するはずであり、そこをアメリカ軍の航空機が飛行すれば攻撃を受けることになる。
現在のところ、アメリカ軍はイラン攻撃に航空機と各種ミサイルを投入しているのみだ。たしかに、これらによる精密攻撃は目標を破壊することはできるが、それは攻撃実施時に存在が判明している目標だけであって、先述したような地下施設に隠れた目標を無力化することは難しい。
ミサイル在庫払底で困るのは「日本」
アメリカ国防総省が明らかにしているところでは、今回の「壮絶な怒り作戦」の目的は①イランの攻撃用ミサイルとミサイル生産施設を破壊すること、②イラン海軍やその他の安全保障インフラを破壊すること、そして③イランの核兵器保有を阻止することの3点だ。
しかし、これらは短期間の航空攻撃だけで完遂できるものではなく、事前の見積もりが甘かったか、あるいは攻撃があまりに政治的な都合で進められすぎてしまった、ということなのかもしれない。
一方で、アメリカが今回の攻撃に多くの兵器を投入したぶん、そのしわ寄せが日本を含むインド太平洋地域に及ぶという見方もある。ミサイル在庫の払底などがアメリカ軍の事態対処力低下につながるのではないか、との懸念だ。

