仕事はできるが、部下に対してはパワハラ気味な上司にどう対応すればいいか。ストレスマネジメント専門家の舟木彩乃さんは、「パワーハラスメントをしている上司が、発達障害やグレーゾーンではないかと疑う内容の相談が、今年に入ってから一気に増加しています」という――。

※本稿は舟木彩乃『発達障害グレーゾーンの部下たち』(SB新書)の一部を再編集したものです。

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「上司がグレーゾーンかも」と感じる部下たち

『発達障害グレーゾーンの部下たち』の企画段階では、グレーゾーンの部下への対応法をメインテーマとしていました。それは、筆者が受ける相談に、グレーゾーンの社員に対して、上司としてどう対応すれば良いか分からない、などと思い悩んでいるケースが多かったからです。

ですが、最近は「上司がグレーゾーンかもしれない」という相談も増えてきました。その多くは、パワーハラスメントをしている上司が、発達障害やグレーゾーンではないかと疑う内容です。このような相談は前々からありましたが、今年に入ってから一気に増加しています。

今年に入ってから行政機関や民間企業でのパワーハラスメントの話題が相当増えており、連日のようにメディアで取り上げられていることも、相談が増えたことに影響しているのかもしれません。

パワーハラスメントを働いている人には、議員や首長など選挙で選ばれた人も含まれています。公職にある権力者のパワーハラスメントは、当然マスコミの取り上げるところとなり、報道をきっかけに類似する案件などが、行政、民間を問わず噴出することになります。このようなハラスメントの背景には、実際に、上司の発達障害やグレーゾーンが関係していると思われることも多々あるのです。