悩んでいる友人を励まそうと「そんなの大したことないよ」と言ったら、相手を怒らせてしまった――。産業カウンセラーの山本衣奈子さんは「失言や不用意な発言をしてしまったときは、うやむやにせずに一度きっちり回収&撤回する方が気持ち良く済むこともあります」という――。(後編/全2回)
※本稿は山本衣奈子『「言ってしまった」「やってしまった」をリカバリーするコツ』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
こんなときどうする?3 励まそうと思ったのに…
励まそうと思って「そんなの大したことじゃない」と言ったら、
「どうせあなたにはわからないよね」と言われてしまった……
「どうせあなたにはわからないよね」と言われてしまった……
「ちょっと聞いてくれる?」と始まった相談。かなり困っているらしく、真剣に悩んでいる様子。「どう思う?」と聞かれたのだけれど、少しでも気を楽にしてくれたらと「まぁでも、大したことないよ」と伝えたら、「大したことないって、そりゃあなたにとってはそうかもしれないけどさ」となんだかガッカリさせてしまったみたい……。
あなたなら、どうしますか?
NG
「だって、あの人のあれと比べればさ」などと、他の誰かのことや違う出来事と比較して「大したことない」をさらにアピールする
OK
相手の気持ちに寄り添い、話を聞く
Recovery(大丈夫!)
「真剣に悩んでいるのに『大したことない』とか言われたくないよね。ごめん、この言葉は言い換えさせて」と、いったん言葉を回収&撤回する
「だって、あの人のあれと比べればさ」などと、他の誰かのことや違う出来事と比較して「大したことない」をさらにアピールする
OK
相手の気持ちに寄り添い、話を聞く
Recovery(大丈夫!)
「真剣に悩んでいるのに『大したことない』とか言われたくないよね。ごめん、この言葉は言い換えさせて」と、いったん言葉を回収&撤回する
つい「大したことじゃないよ」と言ってしまうけれど
「大したことじゃないよ」
「単なる考えすぎでしょ」
「そんなの大げさにとらえすぎだよ」
「そんなことで悩むのは無駄だと思うよ」
「いつもそうやって悪く考える癖があるよね」
相手を励ますつもりで、ついこういう言い方をしてしまうことはありませんか? 根底にあるのは「そんなに悩まないで」という相手を思う気持ちであるにもかかわらず、こういった言い方では、残念ながら伝わりにくいものです。