悩んでいる友人を励まそうと「そんなの大したことないよ」と言ったら、相手を怒らせてしまった――。産業カウンセラーの山本衣奈子さんは「失言や不用意な発言をしてしまったときは、うやむやにせずに一度きっちり回収&撤回する方が気持ち良く済むこともあります」という――。(後編/全2回)

※本稿は山本衣奈子『「言ってしまった」「やってしまった」をリカバリーするコツ』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

口を手で覆い、カメラを見つめている女性
写真=iStock.com/HbrH
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こんなときどうする?3 励まそうと思ったのに…

励まそうと思って「そんなの大したことじゃない」と言ったら、
「どうせあなたにはわからないよね」と言われてしまった……

「ちょっと聞いてくれる?」と始まった相談。かなり困っているらしく、真剣に悩んでいる様子。「どう思う?」と聞かれたのだけれど、少しでも気を楽にしてくれたらと「まぁでも、大したことないよ」と伝えたら、「大したことないって、そりゃあなたにとってはそうかもしれないけどさ」となんだかガッカリさせてしまったみたい……。
あなたなら、どうしますか?

NG
「だって、あの人のあれと比べればさ」などと、他の誰かのことや違う出来事と比較して「大したことない」をさらにアピールする
OK
相手の気持ちに寄り添い、話を聞く
Recovery(大丈夫!)
「真剣に悩んでいるのに『大したことない』とか言われたくないよね。ごめん、この言葉は言い換えさせて」と、いったん言葉を回収&撤回する

つい「大したことじゃないよ」と言ってしまうけれど

「大したことじゃないよ」
「単なる考えすぎでしょ」
「そんなの大げさにとらえすぎだよ」
「そんなことで悩むのは無駄だと思うよ」
「いつもそうやって悪く考える癖があるよね」

相手を励ますつもりで、ついこういう言い方をしてしまうことはありませんか? 根底にあるのは「そんなに悩まないで」という相手を思う気持ちであるにもかかわらず、こういった言い方では、残念ながら伝わりにくいものです。