ミュージカル俳優・未来和樹さんは中2のときにある作品の主役に選ばれた。それ以来、通信制高校で学びながら、自宅のある熊本と東京を行き来する“2刀流”の生活。優秀な仲間との出会いを求めて東京大学進学を目指すが、模試の判定は芳しくない。だが、一浪の末、最難関を突破。ストイックに猛勉強できた理由は何か。『プレジデントFamily』編集部の取材に答えた――。
※本稿は、『プレジデントFamily2023春号』の一部を再編集したものです。
敢えて選んだ「独学」ストイックに取り組んだ日々
僕が東大受験を思い立ったのは、高2の秋のことでした。
中2のときにミュージカル「ビリー・エリオット」の主役ビリーに選ばれて以来、僕はいろいろな舞台に出演して、一ツ葉高校という通信制高校で学びながら、自宅のある熊本と劇場のある東京を行き来していました。
進路を考える時期になって、選択肢に東京大学が思い浮かんだのです。舞台をやっている僕にとっては東京藝術大学も魅力だけど、将来何に挑戦するとしても、実現できる可能性を高める武器を揃えておきたい。東大でなら、今後日本や世界を担う優秀な仲間たちに出会えるだろうし、彼らに囲まれて過ごすことが刺激となり、自分の考え方や価値観にもいい影響があるんじゃないか。東大という名前があれば、何かスタートするときに周りからも信用されるような気もしました。