家計を圧迫する物価高の救世主といえば、鶏むね肉。栄養価が高く、しかも脂が少なく低カロリー。だが、唯一の欠点は硬くパサつきやすいこと。管理栄養士の赤石定典さんは「どの家庭にも必ずある調味料を少しもみ込むだけで、鶏唐揚げもジューシーに仕上がります」という――。

※本稿は、『プレジデントFamily2023春号』の一部を再編集したものです。

鶏の唐揚げ
写真=iStock.com/KPS
※写真はイメージです

物価高の救世主・鶏むね肉をジューシーに食べるコツ

さまざまなものが値上がりしている昨今、家計のやりくりに苦心しているご家庭は多いでしょう。日常の食材まで高くなり、買うのをためらうほどですが、成長期の子供にとって食事は何よりも大切。物価高でも工夫してバランスのよい食生活を保ってほしいと思います。では、どう工夫をすればいいのでしょうか。

この時代の救世主は「鶏むね肉」です。同じ鶏肉でももも肉より断然、格安。たんぱく源として優秀で、たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6をはじめ栄養素も豊富に含んでいます。脂が少なく低カロリーなので、ダイエット中の大人にも嬉しい食材といえますね。

唯一、気になるのは硬くパサつきやすいこと。そのため子供に毛嫌いされがちですが、実はパサパサになるのを防ぐ裏ワザがあるのです。

その一つが、塩または砂糖をもみ込む方法です。そもそもむね肉がパサつくのは、加熱によって筋線維が縮み、肉に含まれる水分を追い出してしまうため。あらかじめ塩か砂糖をもみ込むと筋線維がほぐれて縮みにくくなり、水分を保つことができます。塩や砂糖の量はひとつまみ程度で十分。全体に行きわたるようしっかりもみ込んだら、あとは通常通りの調理をするだけです。

例えば、鶏の唐揚げなら先に塩をもみ込んでからしょうゆなどの調味料に漬け込むとジューシーに仕上がります。照り焼きのような甘辛い味付けなら、砂糖をもみ込むとよいでしょう。

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