※本稿は、加藤俊徳『すごい記憶力の鍛え方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
「記憶力がいい人」は何をやっているのか
一度覚えたことを忘れない、つまり記憶量を「減らさない」ことが大切です。
減らさないためのテクニックには「自力」と「他力」、つまり自分で減らさない工夫と、人に「増やしてもらう」工夫があります。ここでは、英語学習を例にとって解説していきましょう。
記憶量を自分で減らさない「ラベル付け復習」
英単語や文法など、自分がどれくらい覚えているか、模擬テストなどを行ってみてください。そして、問題のカテゴリーごとに4段階でラベルをつけていきましょう。
・ほぼ理解しているが、間違えることがある→○
・曖昧に理解しており、迷ったり間違えたりする→△
・ほぼ理解していない、毎回間違える→×
これは、問題の「できる」「できない」を可視化する行為です。「できない」が多いとネガティブな感情を抱きがちですが、「できる」に目を向けましょう。
なぜ「できる」ができているのかを自分自身で分析し、繰り返してください。次第に×(できない)が減り、△や○が増えていくことを実感できるでしょう。一度覚えたことが減らない感覚を実感すると、脳は「ご褒美」をもらったような気分になり、より知識を身につけようと動きます。
他力で「情報のシャワー」を浴び続ける
もうひとつ覚えたことを減らさない方法が「情報のシャワー」を浴びられる環境作りです。
英語の学習をしているのであれば、その情報が勝手に入ってくる環境を構築する。たとえばイングリッシュスピーカーの友人を作ることもそうですし、海外のニュースを見るでも、もちろんYouTubeやNetflixで常に英語が流れる番組を観るといったことでもかまいません。
特に効果があるのは、授業を受けているのであれば、先生から聞くだけではなくて、同じ授業を受けている友達とも授業の内容を話してみること。仲の良い友達がやっているテキストや勉強法などを試してみることも効果的です。
これらの行為は、情報との「親密度」を上げることに繋がっています。楽しく学んだことは長期記憶へと移動しやすく、かつ定期的に“英語のシャワー”を浴びることで、学んだことを定期的に思い出し、減らさないような効果が期待できます。