※本稿は、『プレジデントFamily2023春号』の一部を再編集したものです。
グランドスラム達成の女流囲碁棋士の10代
私が囲碁を始めたのは4歳のとき。祖父から「頭の体操にいい」「歳をとったときに認知症予防になる」と勧められたことがきっかけです。
小1で師匠(藤澤一就八段)の囲碁教室へ通うようになり、小2で日本棋院の院生(囲碁のプロ棋士を養成する機関)に入りました。小5になる頃にはプロ入りを考えていて、中3で囲碁棋士となりました(女流棋士では当時3人目)。
中学時代は毎日のように囲碁教室に通うなど囲碁中心の生活。プロになる前は、運動会は半分だけ出て、院生の対局に行ったりしていました。プロになったのだから囲碁に集中したいと、高校進学については前向きに考えていませんでした。若くしてプロ入りした棋士には高校へ通わなかった人も珍しくありません。
ただ、両親から「勉強のためだけでなく、人間関係を学ぶうえでも高校に進学したほうがいい」と強く言われて迷っていたときに、ちょうど師匠から角川ドワンゴ学園N高等学校のことを聞きました。
N高は私が中3のときに開校し、師匠が囲碁部の名誉顧問に就任していたのです。通信制と通学制があり、通信制を選べば高校生活と囲碁を両立できると師匠からアドバイスされ、進学を決めました。N高の制服がかわいかったというのも理由の一つです。
けれど制服は必ず買わないといけないものではないので、うちは買ってもらえず。私はいまだに、買ってほしかったと思っているんですけど(笑)。
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