太古の昔から脳は怠惰にできている
今、やっておけば後がラクなのに、つい先のばしにしてしまうという悩みを持つ人は多いことでしょう。しかし、そんな自分を責める必要はありません。なぜなら、そもそも人間の脳は「怠け者」なのだから、仕方ないのです。
脳が怠惰な理由は3つあります。
1つ目は、エネルギーの節約のためです。脳はとんでもなく燃費の悪い臓器で、わずか1.4キログラムほどの重さなのに、人間が1日に必要とするエネルギーの20%も消費します。そこで、できる限りエネルギーを節約しようと、あの手この手で休もうとするのです。人間も動物ですから、太古の昔から常に外敵から身を守る必要がありました。外敵に襲われたときは、一目散に逃げるか必死で戦うしかありません。肉体に最大限のエネルギーを注がなければならないので、脳がエネルギーを使わないようになったのです。人間が今日明日の食糧に困ることがない社会になったのは、人類の歴史から見ればつい最近のことですから、脳の機能が社会の変化に追いついていないのです。
2つ目は、脳には「周りに流されやすい」という特徴があるからです。幼い子どものように「みんなと一緒」という状態を好みます。このような癖を経済用語では「バンドワゴン効果」と呼びます。「○○が流行っている」とか「みんな△△をしている」といった情報を知ると、自分もそうしないと不安になるのです。反対に、みんながしていないことは、自分もしたくないという心理が働くため、誰も頑張っていない場所で自分だけ頑張ることができないのです。
3つ目は、脳は「誘惑に弱い」からです。たとえば満腹でも、ケーキを目にした途端、「別腹」といって食べる人は少なくありません。人の脳は、視覚や聴覚、嗅覚などの五感によって過去の体験を呼び覚まし、新たな欲望が生じやすくできています。怠惰で誘惑に弱い――これが脳の本性なのです。ですからみなさんの「先のばし癖」も、じつは自然なことであって、自分を責める必要などないのです。
とはいえ、社会生活を送るうえで「先のばし癖」を放っておくわけにもいきません。先のばしをすると、無駄な時間を膨大に生んでしまいます。では、「すぐやる」人になるには、どうすればいいのでしょうか。
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