説得力のあるプレゼンをするにはどうすればいいいか。プレゼンテーションクリエイターの前田鎌利さんは「想定される質問や意見に対する答えを想定し、それに対応できるデータや資料を準備しておけば、議論の正当性が担保され、相手を説得できるプレゼンに近づく」という――。
※本書は、前田鎌利『歴史的プレゼン』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
資料作成より重要な3つの準備
会議で使うプレゼン資料だけをしっかり作り込んでも上手くいかなかった経験をお持ちの方も多いと思います。そう、結果が出ないことの方が多いのです。
それは、プレゼン資料にばかり力を入れてしまい、本来重要な会議の準備、質疑応答になった時の準備が不十分だからにほかなりません。
そこで、本稿では相手のことを理解した上で、自分が望む結果に向けてどのような準備をしておけばよいかについてお伝えします。ポイントは、3つ。
①会議前の準備
②会議中の準備
③会議後の対応
資料の作成も必要ですが、決裁者との信頼関係がどれくらい高まっているのか? お互いのことをよく知っているか? は無視できません。これらを把握した上でプレゼンに臨むことができれば、誰もが百戦百勝間違いありません。
もしも秀吉が資料をバッチリ用意していたら…
【羽柴秀吉】本日の清洲会議はこの4人と三法師様の5人で行いたいと思います。今回の会議のゴールは投影しておりますように、織田家の後継者の決定です。なお、次男の織田信雄様、三男の織田信孝様からは委任状をいただいております。
【羽柴秀吉】本日のサマリーはこちらです。今回は柴田殿の推挙する織田信孝様と当方が推挙する三法師様(後の織田秀信)のどちらが相応しいかについての議論です。結論から申し上げて、間違いなく三法師様がおすすめです! 今回亡くなられた長男・信忠様のご子息ですから、当然後継者に一番相応しいです!
【柴田勝家】待て待て! 三法師様はまだ3歳! 後継者には時期尚早! ここは今回の山崎の戦いで総大将も務められた三男の信孝様しかおらん!