Q. 酒をたくさん飲んだ翌朝、なぜ気分が落ち込むか?
いい飲み方と悪い飲み方の違い
仕事でストレスがたまったり、家庭問題などで悩んだりすると、イライラして寝付けず、つい「寝酒」に手を伸ばしてしまう――ビジネスパーソンの多くも、そんな経験があるのではないだろうか。ところが、「お酒を睡眠薬代わりにするのは、避けたほうがいいですね」と、不眠症に詳しい新橋スリープ・メンタルクリニック院長の佐藤幹さんは、警鐘を鳴らす。特に不眠がひどい場合、「依存性の低い睡眠薬を使ったほうがいいでしょう」とアドバイスする。
寝酒を避けたい理由の1つが、睡眠の質がどんどん悪化していくからだ。酒量が多くなれば、アルコールによる酔いの作用で、一時的に覚醒度が下がる場合がほとんどだ。そのため、「麻酔が切れるのと同じで、血中のアルコール濃度が下がってくれば、覚醒しやすくなってしまいます」(佐藤さん)。
また、飲酒をすると、体がむくんだ状態になる。「アルコールの影響で気道も狭くなって呼吸が浅くなると、覚醒度を上げ呼吸を正しく行うように、脳が体に命令を出すのです。それが、中途覚醒の大きな原因になります」(同)。