Q. 仰向けと横向き、体にいい寝方はどっち?

約8割の人で、いびきが半減する

結論から言えば、いびきをかく、かかないに関係なく、横向きで寝たほうが体は楽になります。1つは体温コントロールがしやすいから。もう1つは血液循環がしやすいからです。

特にいびきをかく人は横向きで寝たほうがいいでしょう。いびきをかく人は横向きに寝ただけで、約8割の人でいびきが半減することが明らかになっているからです。私はかつて、寝るときの姿勢といびきの関係をNHKの番組で検証したことがありました。被験者はいびきに悩まされている20代から40代の男性5名。一番いびきのひどかった人でも、横向きに寝るだけで一晩に3時間以上かいていたいびきが40分ほどに激減し、さらに被験者全員の疲労度が基準値を下回り、「よく眠れた」「目覚めがすっきりした」という感想を得ることができました。

では、なぜ横向きで寝るといびきをかかないのでしょうか。いびきは睡眠中にゆるんだ舌が重力でひっぱられて喉の奥に落ち込み、気道が狭くなることが原因で発生します。ということは仰向けで寝なければ、舌は喉のほうに落ちていかないので、いびきをかかずに済むというわけです。もちろん、うつ伏せで寝てもいびきは軽減しますが、胸が圧迫されて呼吸が苦しくなるので、あまり長時間は寝られません。したがって一番いいのは横向きということになります。