横向きの姿勢を長時間保つ

しかし、横向きで寝ていても、いつの間にか仰向けに戻ってしまうという人も多いでしょう。そこで大切なのが「枕」です。横向きの姿勢を長時間保つには、枕をそれに適したものにすることが不可欠です。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Eva-Katalin)

みなさんの多くは枕を選ぶとき、仰向けに寝たときの寝やすさを基準にしているかと思います。しかし、仰向けで寝やすい枕は横向きで寝るには低すぎるのです。特に男性は肩幅が広い分、首が折れてしまう。横向きになったときに首をしっかり支えるだけの高さが必要です。

さらに人間の頭は約5キログラムの重さがあります。5キログラムの米袋を、そば殻やパイプ、低反発素材などの枕の上にボンと置いたところを想像してみてください。米袋は枕に沈みこんでしまい、必要な高さを得られないでしょう。そこで横向き用の枕は、ある程度弾力のある高反発の素材でできていて、そして横向きになったときに頭を支えるだけの高さがあることが条件です。

もう1つのポイントは、抱き枕を併用すること。抱き枕を両脚の太ももに挟み、体の右側を下にして、体の左半分を抱き枕に乗せるようにする。これは「シムス体位」といって、お腹が大きくなって仰向けで寝るのが苦しい妊婦さんが寝るときの姿勢として推奨されています。また、救急車で昏睡状態の患者を搬送するとき、気道確保のためにとらせる姿勢でもあります。つまり、それだけ呼吸器に負担をかけず、血液が最も循環しやすい楽な寝方だということです。

最後に、横向きで寝るときは体の右側を下にすると言いました。なぜかというと、そうすることで胃の入り口が上に、出口が下にくるので、胃の内容物が重力にしたがって下へ移動しやくすくなるため、消化吸収がよくなり、ひいては自律神経系の負担が軽くなるからです。

▼抱き枕を太ももに狭み、体の右側を下にしよう

(構成=長山清子 撮影=石橋素幸 写真=iStock.com)
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