睡眠の質を良くするにはどうすればいいか。東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身さんは「豆電球レベルの弱い明りでも睡眠に影響を与える。部屋は真っ暗にして、温度は18℃以下、26℃以上にしないことが大きなポイントだ」という――。
※本稿は、梶本修身『世界一眠らない日本に疲労専門医が伝えたい お疲れ日本人の本当の休み方』(Gakken)の一部を再編集したものです。
快適な室温は22~24℃、湿度は50%前後
眠りの質は、環境にも大きく左右されます。環境が整っていないと脳は回復できず、自律神経にいたっては休むどころか酷使されるような場合も。脳と自律神経にとって、「安心・安全・快適」な睡眠環境を整えることは必須です。
まず意識したいのが寝室の空調。脳にとってもっとも快適な環境は、22~24℃の室温、50%前後の湿度といわれ、この状態をキープすることが睡眠の質を高めるためには不可欠なのです。
たとえば夏は、高温多湿で脳の温度が上がりやすいため、自律神経が睡眠中に働き、発汗させて体温を下げる指令を出すことになります。これは、いびきをかいているときと同様、自律神経にとってはまるで運動中と同じ。フル稼働させられている状態のため、いっこうに休むことができません。
エアコンは「一晩つけっぱなし」を推奨
エアコンは夏場であれば24~25℃に設定し、一晩中つけっぱなしにしておくべき。ここでは「電気代がもったいない」という意識は捨てましょう。途中でエアコンが消えると、結局、寝ている途中で汗を大量にかくことになり、脳と自律神経の疲労はかさむばかり。タイマーを使うのは厳禁です。
日本のマンションは、耐震性に優れているぶん、コンクリートがかなり分厚い構造です。コンクリートは昼の直射日光で輻射熱を蓄え、外気温が下がってくる深夜に室内側にも放熱します。
その結果、就寝時に冷房をかけて窓を閉め切っていた場合、深夜0時に外気温より室内温度のほうが高くなるケースが多いことがわかっています。夜間の熱中症を招く原因にもなるので、オフタイマーの利用は絶対に避けてください。

