これからの時期、猛威を振るう風邪とインフルエンザ。治療のために「抗生物質」や「抗インフルエンザ薬」の処方を医師に求める人も多い。だがそれは最善の行動とはいえない。専門医が最新の治療法を解説する――。
※本稿は、「プレジデント」(2018年12月31日号)の特集「本当にいい病院は、どっち?」の特集記事を再編集したものです。
▼風邪
家にある余った抗生物質を飲むと起こる体の異変
聖路加国際病院で循環器内科医として勤務する水野篤医師は、患者との薬への意識の違いをこう話す。
「患者さんが、服薬を自己判断でやめることはよくあります。世の中には『飲まなくてもいい薬』の情報が溢れていますから。反対に、患者さんが飲みたがる薬もあって、その代表格が抗菌薬、いわゆる抗生物質です。2016年から厚生労働省が『薬剤耐性(ARM)対策アクションプラン』としてむやみに抗菌薬を服用することで菌に薬剤耐性(※1)がついてしまうと注意喚起するキャンペーンをしているのですが、認知度はまだまだです。患者さんもとりあえず抗菌薬を飲めばいいと安心するところがある。医師、病院の側も求められれば処方してしまうところもまだあります。しかしながら、例えば風邪のほとんどはウイルスが原因。ウイルス性のものに抗菌薬を投与しても意味はありません。それでも、患者さんが欲しがるので、併発する咽頭炎や扁桃炎などの炎症の診療報酬名をつけて処方してしまっていることもあると聞きます」
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