失敗を恐れて一歩を踏み出せない人は多い。どうすればいいのか。『うまく話さなくていい ビジネス会話のトリセツ』(プレジデント社)を書いた元日本マイクロソフト役員の澤円さんは「失敗に落ち込む暇もないほどアウトプットの機会を増やせばいい。そもそも、“失敗”に対する捉え方を変えるのも効果的だ」という――。
※本稿は、大阪府豊中市の千里文化センター「コラボ」で行われた出版イベント「澤円さんが千里中央に!「うまく話さねば」の呪いを解く‼」の内容を抜粋・再構成したものです。
使うグラスで酒の味は変わるか?
プレゼンターという仕事を生業にしていると、「もっとうまく話したい」という悩みを相談されることは多いです。
ですが、「うまく話す」というのは、いわば表面的なところ。
例えば、噛まずに話をするとか、いい感じで声のトーンを調整するとか、なにも見なくても話がまとまっているとか、そういったことを想像する人が多いと思います。
これを僕は、「グラス」に例えています。
例えば、シャンパンを飲む。ドンペリニョンだの、モエ・エ・シャンドンだの、冷やして飲んだらおいしい。
あるいは、いまはコンビニでもスパークリングワインが買えますね。これもキンキンに冷やして飲んだら、おいしいですよね。
では、飲み比べをしましょう、と。
どちらも普通のグラスに入れて飲み比べたら、当然、高いシャンパンのほうがおいしい。
では、安いスパークリングワインのほうをバカラの高級グラスに入れたら、順位が入れ替わると思いますか?