なぜ政界再編は起きなかったのか?

政治評論を生業の一つとする筆者は普段から「政治家は(与党も野党もなく)皆、嘘つき」と公言している。

単なる皮肉や冷笑ではない。政治家の発言と行動の乖離、公約と実際の政策決定過程における齟齬、そして有権者への説明責任の欠如についてのいわば経験的な認識である。

西田亮介(にしだ・りょうすけ)社会学者
西田亮介(にしだ・りょうすけ)社会学者。日本大学危機管理学部教授。1983年、京都府生まれ。博士(政策・メディア)。『エモさと報道』(ゲンロン)、『メディアと自民党』(角川新書)など著書多数。

それと同時に、人気商売でもある職業政治家たちを取り巻くインセンティブが彼ら、彼女らがそのように振る舞ってしまうことを宿命付けているからという事情もある。小選挙区制もそうだが、少数与党という政府与党にとっては政権基盤が不安定で、裏を返せば野党の要求が通りやすい状態が言いっ放しに拍車をかける。まさに現在の永田町の空気感である。