「空気を読む」意識やそれに伴う実際の行動は年収によってどのように違うのだろうか。読者1111人の率直な声から、その実態を見ていこう。

稼ぐ人は「和」よりも「個」の意見を貫く

「出る杭は打たれる」。他人の顔色をうかがい、同調圧力に従うことが諍いさかいを避ける処世術として身に付いている人も多いだろう。一方で、足並みをそろえ続けるだけでは、周囲より一歩抜きん出ることは難しい。「空気を読む」ことにおいて、高年収者はどのような意識を持っているのだろうか。その実態に迫るため、読者へ「空気の読み方」に関する調査を実施した。

【図表】稼ぐ人ほど和を気にせず自分の意見を通す

今回の調査でまず浮き彫りになったのは、年収が高い人ほど、日常生活において周囲に合わせることなく「我を通して生きている」という事実だ。

「和を乱すくらいなら、自分が我慢したほうがいいと考えるか」という問いに対し、年収300万円未満の層では約75%が「我慢する」と回答。対照的に、年収1000万円以上の層では、「自分の意見を主張する」の割合が4割を超えた。稼ぐ人は組織の調和よりも、議論を尽くすことを優先する傾向にある。その場の空気が凍りついたとしても、成果のために必要な発言であれば躊躇しない。「嫌われる勇気」を持って仕事に臨んでいると言えそうだ。

【図表】年収が高い人ほど我を通して生きている

「個」を重要視する姿勢は、「目立つこと」への耐性にも表れている。「他人と違う行動で目立つことを気にするか」を尋ねたところ、年収1000万円以上で「気にならない」という回答が増加した。イノベーションは異端から生まれるもの。「出る杭」になることを恐れず、好機と捉えているのだろう。

「その場の雰囲気でつい合わせてしまうことがあるか」という質問への回答も同様の傾向が見られる。年収300万円未満の層では「よくある」との回答が1割を超えたが、年収1000万円を境に5%未満となった。周囲の空気に流されることなく、確固たる判断基準で行動する人が多い結果となった。

稼ぐ人の「空気を読まない」とは、「他人に配慮しない」という意味ではないようだ。「場に応じて態度や話し方を使い分けているか」を聞くと、年収1000万円以上の過半数が「意識して使い分けている」と回答した。相手に合わせて最適な振る舞いを選ぶことで、日常生活を円滑に進めていることが考えられる。彼らは空気を読めないのではなく、TPOに合わせて巧みに自分を「演出」しているのだろう。

一方で、稼ぐ人は他者の「空気の読めなさ」に対しては厳しい一面を見せる。「空気が読めない人の言動を指摘するか」という問いに、年収300万円未満の層の75%以上が「あまりない」「ほとんどない」と答える一方で、年収1000万円以上の層の約4割が「よくある」「たまにある」と回答した。あえて「嫌われ役」を買って出る覚悟があるのだろう。