インフレ時代は「現金より不動産」

2024年の夏以降、世界的に不動産投資が活発化した。それに伴って、昨年、日本における不動産投資額も最高水準を記録した。

近年、世界的にインフレが進んだことで、お金の価値が下落傾向を辿った。それぞれの主体が保有する資産の価値を守るためには、お金ではなく実物資産を保有することが有利になる。代表的な資産は金(ゴールド)なのだが、すでに金は価格が高騰している。そこで、不動産に対する需要が増えたということだ。

特にわが国では円安が進行したため、欧米や一部アジア、中東などの投資ファンドがこぞってわが国の不動産の購入を積極化した。その結果、わが国の不動産価格は上昇し、東京都心部の中古マンションの平均価格は1億円を超えるまで上がっている。

奥にスカイツリーが見える高層マンション群
写真=iStock.com/Zvesta
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外国人の不動産取得を規制する国も

そこまで不動産価格が上昇すると、若年層などが東京都内に住居を購入することは難しくなってしまった。それは無視できない弊害だ。

不動産市況の安定は、国民生活の安心に大切だ。政府も、不動産価格の安定に向けた具体的な政策を検討する時期かもしれない。

シンガポールのように、非居住者には特定地域の不動産しか取得できないという制度を設けている国もある。わが国では、すぐにそうした厳格な制度の導入は難しいだろうが、何らかの形で、外国人による購入制限を加えることも選択肢になるかもしれない。