「都心にマイホーム」なんて夢のまた夢
今年1月、東京23区の中古マンションの希望売り出し価格(平均、70平方メートル)は、前月比1.4%高の1億2123万円だった。上昇は21カ月連続だ。
若年層や子供を持つ勤労者世帯にとって、住宅を取得することが困難になりつつある。それは、わが国に重要なデメリットだ。希望する場所で安心、安定した住居を確保する。それは、個々人の人生に多大な意味を持つ。
不動産価格を安定させるためには、為替レートの安定化が欠かせない。円安によって海外の投資資金の流入が増えたり、輸入物価の上昇で建材や人件費が増加したりすると、不動産の価格の上昇には歯止めを掛けることは難しい。さらに、マンションやビルの建設が遅れる恐れも高まる。そうなると若年層を中心に不動産取得の難しさは増す。
若い世帯を優遇する制度も必要になる
政府は、何らかの形で不動産価格の安定化を目指す取り組みが必要になるだろう。外国人による不動産取得に、一定の規制を設けることも一つの選択肢になるだろう。これまでも、「経済安全保障を含め、外国人による不動産取得を規制すべき」との主張はあった。外国人が不動産を取得する際の国税(印紙税など)、地方税(不動産取得税)を引き上げるなどの方策も考えられるだろう。
カナダやオーストラリアは、外国人を対象に不動産取得規制を強化した。ただ、想定通りに持続的な効果は出づらかったようだ。一定の規制は必要だが、それで十分とは考えづらい。
一方、若年層などへの不動産取得支援の拡充の重要性は高まるだろう。ドイツのKfW(復興金融公庫)は、“Kredit Nr.300”という支援策を提供している。年収9万ユーロ(2026年2月末時点のレートで約1650万円)を上限に、18歳未満の子がいる世帯が対象だ。新築住宅取得時などに、市中の住宅ローンより低い金利でローンを借りることができる。
わが国は、子育てグリーン住宅支援事業を運営している。それに加え、若年層、子供を持つ世帯への金利優遇を行うことは、人々の生活の安心、安定につながるだろう。


