モチベーションではなく規律で体をつくり上げる

室温30度。暖房と加湿器をつけたジムには熱気が充満しています。サウナスーツの下に重ねた3枚のシャツは滝のように流れ出る汗を吸って、トレーニングを終える頃にはいつも4kgほどの重さになっています。息が上がり意識が朦朧としかけたところでブザーが鳴り、ラウンドが終わりました。体にまとわり付いていた衣類から解放されると、急に体が軽くなり、生きた心地がします。

インターバルの間にグローブを締め、リングに上がると、ミットを手にしたトレーナーが声を張ります。あらかじめ頭に入れておいたコンビネーションを、一発ずつ確かめるように繰り出します。踏み込んで拳に体重を乗せるたび、目の前のミットが乾いた音を響かせます。拳を出し続けるうちに、頭の中に残っていた仕事のことが一つ、また一つと消えていき、ラウンドの3分が過ぎる頃には完全に無心になっています。

ボクシングを始めて4年が経ちます。コロナ禍でそれまで通っていたフィットネスジムが閉鎖になりました。運動習慣が途絶えたとたんに太ってしまい、調子を崩したのがきっかけです。知り合いに恵比寿にあるこのジムを紹介してもらい、体験入会に参加したところ、短時間で限界まで追い込むトレーニングに効果の高さと効率のよさを感じて、通い始めました。

(構成=渡辺一朗 撮影=宇佐美雅浩)
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