ふらりと立ち寄る日本橋ひいきの一軒

会社からも自宅からも近い日本橋の京懐石料理店。会合や接待でたびたび足を運びます。以前この場所には、当社の社員にもなじみ深い「てんぷら なる瀬」がありました。店主がご高齢で店を閉じたときは寂しく思いましたが、その後にできたのが、この「日本橋笈川」。季節の料理と美味しい日本酒、店主の細やかな気遣いに惹かれ、今ではすっかりひいきの一軒になりました。

春の陽気に誘われ、今日は日本橋をぶらぶら歩いていました。夕方には妻と待ち合わせて食事をする予定です。桜がほころぶ街並みを歩くうちに小腹が空き、ふらりと立ち寄りました。カウンターには桜の枝が活けられ、器にも桜の絵があしらわれています。店主が「今日はお花見ですから」と勧めてくれたのは、福井の銘酒「黒龍」でした。こうして季節に合わせて酒を選んでくれるのもうれしいところです。

ふと壁に目をやると、漫画家・原泰久先生の色紙が飾られています。私は学生時代から読書が好きで、歴史書や哲学書もよく読んできました。漫画も例外ではなく、少女漫画を愛読していた時期があるほどです。なかでも『キングダム』には格別の思い入れがあります。中国史のなかで、私がとりわけ惹かれてきたのが秦の時代です。学生時代には関連する歴史書を夢中で読みました。その時代を漫画にした『キングダム』。読み始めると、期待をはるかに超える作品でした。連載開始以来、欠かさず読んでいます。その作者である原先生まで、この店に来られていたとは、不思議なご縁を感じます。

(構成=渡辺一朗 撮影=宇佐美雅浩)
【関連記事】
パーソル総合研究所社長 岩田亮「日本のはたらくを"整える"」
アナログな気づきをAIで「現像」する Notta COO 田村清人
座って立ち位置を問う JALUX社長 河西敏章
カメラを覗くように、社会を見る NTTデータ社長 鈴木正範
煎を重ね、信頼を積み重ねる ナガセビューティケァ社長 鳥江孝治