週末のサウナで後悔を汗とともに流す

私のサウナ通いは、今年で25年目を数えます。始まりは赤羽でした。激務に明け暮れていた20代、疲労を引きずり、遅い昼飯を食べようと駅前を彷徨さまよっていた日曜日でした。ふと顔を上げると、雑居ビルの赤い看板が目に入ったのです。

「こんなところにサウナがあったんだ」

体に溜まった疲労と心に積もったストレスを、汗で流してしまいたいと思ったのでしょう。自然と足が向きました。

爽やかな木の香りと、肺が痛いほどの熱気。ベンチに腰を下ろして目を閉じると、今週の「あれでよかったのだろうか」「こうしておけばよかった」という反省が浮かんできます。けれども、数分もすると体中から汗が噴き出て、考える余裕はなくなってきます。3分、6分、9分と数え、12分計の針がひと回りしたところでサウナ室を出て、水風呂へ。冷たい刺激で頭がクリアになり、リセットされた感じがしました。

これはいいぞ――。それ以来、日曜のサウナは私のルーティンになりました。どんなにハードな課題に当たっても、週末にリセットできると思うと、立ち向かう気力が湧くのです。後悔や不安は熱にほどいて、意欲と希望だけを持ち帰って新しい週を迎える。私が厳しい状況でも踏ん張れるのは、サウナで区切りをつけるリズムができているからだと思います。

埼玉に転居してからは、自宅から車で10分ほどの施設に通っています。赤羽では日曜夜がサウナタイムでしたが、現在は日曜午前が定番になりました。朝の光が差し込む浴室で過ごす時間は、少し贅沢な気持ちにさせてくれます。私はここで外気浴の魅力を覚えました。サウナで無心になり、水風呂で神経が冴え、外気浴で考えを組み立てる。これをおおよそ3回繰り返すと、私のリセットが完了します。

最近はサウナブームで、若者の利用も増えました。健康的なイメージが定着し、開放感のある施設が増え、サービスが充実したことは、素直に嬉しく思います。けれど「サ道」などと細かな作法を求め、サウナハットやサウナウオッチを身につけるトレンドはしっくりきません。

楽しみ方は人それぞれでよいのですが、私にとってサウナは、心と体が求めるときに手ぶらで立ち寄り、裸ひとつで自分の内面と向き合える場所です。

AI時代だからこそAI以外にも目を向ける

パーソル総合研究所は、働き方や人材・組織領域の調査研究と、組織人事コンサルティングを手がけるシンクタンクです。多くの職場では今、「AIとどう向き合い、マネジメントをどう組み替えるか」が重要なテーマになっています。今後5年は働く環境が大きく変わる転換期になるでしょう。私たちも日々、お客様からたくさんの「問い」をいただいています。

たとえば、AIが業務上の疑問にすべて答えてくれるなら、上司は部下に何を話し、人々が組織で働く意味はどこに残るのでしょうか。誰も経験したことのない現実であり、唯一の正解はありません。それぞれの職場が試行錯誤を重ねながら、現場で使える手法を組み立てていくしかありません。私たちは多様な現場の事例に触れられる立場として、調査と実装を重ねながら共通のフレームワークを見いだそうとしています。

(構成=渡辺一朗 撮影=宇佐美雅浩)

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