米中関係はこれからどうなるのか。ジャーナリストの須田慎一郎さんは「首脳会談を終えたトランプ大統領は帰国直前、メディアの前で中国からの支給品を捨てた。2030年代の“6G時代”を見据え、米中のデジタル空間を完全分断するというアメリカの意思表示だ」という――。

※本稿は、須田慎一郎氏のYouTubeチャンネル「ただいま取材中!」の一部を再編集したものです。

中国の習近平国家主席(右)は2026年5月15日午前、北京の中南海で米国のトランプ大統領と小範囲の会談を行った。〔新華社=中国通信〕
写真=中国通信/時事通信フォト
中国の習近平国家主席(右)は2026年5月15日午前、北京の中南海で米国のトランプ大統領と小範囲の会談を行った。〔新華社=中国通信〕

中国からの支給品をすべて捨てて帰った

5月14日、15日の2日間にわたって行われた米中首脳会談が終了した。アメリカの訪中団と、それに同行した記者団が帰国する際、驚くべき出来事が起きた。本件については海外のメディアを中心に報道されているが、この背景に何があるのかはあまり語られていない。米中首脳会談の意図を読み解くうえで非常に重要な出来事だったため、ご紹介したい。

何が起きたのかと言うと、中国側から支給された物品をすべて、飛行機のタラップの下に設けられた巨大なゴミ置き場のような場所に捨てて帰ったのである。

捨てられたものは、各種施設の立ち入り許可証、代表団のバッジ、アメリカの訪問団や記者団が自ら持ち込んだ使い捨ての携帯電話や端末など、一切合切であった。

アメリカの政府関係者から訪中団および記者団に対し、「中国で受け取ったものは、いかなるものでもエアフォースワン(大統領専用機)への機内持ち込みを禁止する」という厳命が下ったためだ。その結果、大量の物品が廃棄処分されたのである。

この出来事はまず、ニューヨーク・ポストのホワイトハウス担当記者のSNS(X)に投稿された。

ホワイトハウス担当者の投稿
ホワイトハウス担当者の投稿

これを受けて、アジア・ビジネス・ダイアリーザ・インディアンエクスプレスなど、アジアの有力メディアが報道したことで、この一件は中国側にも広く知れ渡ることとなった。もちろん、中国政府は現場で状況を目撃しており報道を聞くまでもなく承知だろうが、本件に関して口を閉ざし、ほとんど反応を示していない。