日本ではオフィス投資が半分を占める

世界的な不動産投資増加を背景に、わが国でもオフィスやデータセンターなどへの投資は増えた。ある推計データによると、昨年の投資実績は前年比13%増、6兆2180億円だったとみられる。集計開始以降の過去最高を更新したという。

国内外の投資家別にみると、主に欧米、アジア、中東など海外の投資ファンド(機関投資家)の割合が高かった。2023年、海外の投資ファンドなどは約1兆円をわが国の不動産市場に投じた。2024年は1.5兆円を上回る規模になり、2025年は2兆円台に達した。海外投資家の投資増加ペースは前年比34%、国内投資家より高い。

分野別にみると、海外投資家による物件取得の40%程度はオフィスだった。住宅は30%程度、データセンターなど産業用施設は20%程度、宿泊施設は7%程度と推計される。なお、国内投資家を含めた全投資家ベースでは、オフィス投資が50%程度を占めるようだ。住宅は20%程度、産業用は15%、宿泊用は15%程度のようだ。

実質金利マイナス+円安でお得感アップ

わが国の不動産投資増加の要因の一つは、実質金利が依然としてマイナスであることだ。お金は、利回りの低いところから、高いところに向かう。実質金利がマイナスの環境下、予想される収益率の高い株式、さらに不動産に資金は向かいやすい。実質金利マイナスの環境下、現金から不動産へというお金の流れ=マネーフローは強まっている。

海外投資家の目から見ると、為替レートの変動も重要だ。2021年1月から足元まで、円はドルやユーロなど、主要な通貨に対して独歩安だった。外貨を保有する投資家にとって、円が減価する分だけわが国の不動産は取得しやすくなる。円安進行で割安感が高まったといってもよい。

実質金利がマイナスであることは、資金調達コストの抑制にもつながる。日銀の金融政策正常化のペースはかなり緩やかに進行した。短期間で政策金利が大きく上昇し、投資家の借り入れコストが急増する展開は考えづらい。

欧米からの観光客の増加などで、高価格帯の宿泊サービス需要も高まった。それらの要因により、わが国の不動産投資は増加した。