鼻が詰まっているときに、やってはいけないこととは何か。耳鼻咽喉科医の木村至信さんは「鼻は粘膜があり、荒れやすく炎症を起こしやすい部位だ。強くかんだり、安易に鼻うがいをしたりすると、かえって症状が悪化する。思わぬ病気につながることもある」という――。(第2回)

※本稿は、木村至信『1万人の鼻の悩みを解決した医師が教える 鼻炎のリセット法』(アスコム)の一部を再編集したものです。

小鼻に指を添えている女性
写真=iStock.com/liza5450
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「鼻の入り口」は炎症を起こしやすい

本稿では、毎日の生活の中でできる、鼻炎に対応する知恵を記します。習慣を変えるだけで、鼻の症状を抑えることがある程度はできるはずです。

まず、エチケットの話になりますが、人前に出る前には、歯磨きをするのと同じように、ちゃんと鼻をかむことを習慣にしていただければと思います。

とはいえ、花粉症や風邪のとき、慢性的なアレルギー性鼻炎の方は鼻をたびたびかむことになりますよね。鼻をかんでから家を出たとしても、すぐまたかむことになるでしょう。

何度もかんでいると、鼻の入り口が痛むことがあるかもしれません。鼻の入り口は「鼻前庭びぜんてい」と呼ばれています。鼻毛が生えているところと、粘膜との境目あたりです。外から侵入する異物を止めたり、体内から異物を押し出したりする場所なので、荒れやすく、よく炎症を起こします。

炎症が起きると、鼻前庭にかさぶたのようなものができます。「鼻前庭湿疹」というのですが、その炎症が進むと「鼻前庭炎」になります。これが、鼻の脇の痛みの原因です。

鼻をかむときは「片側ずつ、そっと」

いったん鼻前庭炎になると、1カ月以上かさぶたが残り、鼻くそが溜まることもあります。しかも、鼻前庭にできたかさぶたは、取ってもまたできるという悪循環になりがちです。ですが、鼻くそやかさぶたを無理にはがしてはいけません。

鼻前庭炎は、抗生物質の軟膏で治ります。ただし、加湿器やマスクなどを利用して、鼻の中を乾燥させないようにすることが必要です。

鼻前庭炎を予防するためにも、鼻前庭を傷めないように、鼻をかむときには片側ずつ、そっとかみましょう。周囲の人に聞こえる音がするほど、一気に強い圧をかけるのはいけません。思い切りかむのは気持ちがいいのですが、鼻前庭だけでなく、鼻の粘膜にも耳にも悪影響を及ぼします。

特に「アレルギー性鼻炎」では粘膜がもろくなっているので、あまり強いかみ方はしないようにしましょう。

強くかむと、出血しやすくなります。ちなみに、たびたび鼻をかむようなときには、少し高価になりますが、保湿タイプのしっとりしたティッシュペーパーがおすすめです。鼻の表面への刺激を軽減するので、少しでも不快感を減らすことができるでしょう。