「どうしても鼻うがいしたい人」に守ってほしい3点
それでも鼻うがいをしたい方は、次のことに気をつけてください。
①専用の器具であっても、何回も使ううちに目に見えないカビが繁殖して、鼻炎を悪化させることがあります。ですから、鼻洗浄器は毎日煮沸消毒して、よく乾燥させてください。
②水道水ではやらないでください。塩素などで粘膜を傷めます。薬局で市販されている生理食塩水(浸透圧が人間の体液に近い、塩化ナトリウムの水溶液)を使ってください。ヨード系の消毒液も、粘膜を傷めることがあります。自分で洗浄液を作るときには、100ミリリットルの水に、小さじ5分の1弱の塩を入れます。
③毎日はやらないでください。
これを守れる方であれば、鼻うがいをしてもいいでしょう。ただし、これを完璧に守るのは難しいので、鼻うがいをしなくてもすむように、ちゃんと鼻をかみ、リセット法をやり、薬を服用することをおすすめします。
「鼻毛の切りすぎ」が病原になりやすくなる
鼻炎は長引きやすく、治りにくく、繰り返し起きるという傾向があります。
その原因の一つは、鼻の粘膜がずっと外気に触れっぱなしだということ。つまり無防備だということです。たとえ鼻の中に傷ができても、絆創膏を貼ることができません。そのまま外気に触れっぱなしです。
さらに、鼻は奥に行くほど狭くなり、突き当たりになっています。私たちは「閉鎖腔」と呼んでいますが、出口があちこちにあるわけではないのです。つまり、換気がしにくく、菌が繁殖しやすい環境だということです。そのせいで、鼻の奥や喉の突き当たりは、入ってきたインフルエンザウイルスやコロナウイルスが繁殖する場所になってしまうのです。
異物が繁殖しやすい場所だから、鼻炎は治りにくいのです。「お薬で治らない! どうしてですか?」と患者さんから怒られることもあるのですが、そもそも鼻とはそういう場所なのです。だからこそ、私は言いたいのです。
鼻の中の粘膜を守ってくれる「鼻毛」を大切にしましょう。鼻毛はフィルターとして、埃や病原菌の侵入を防ぎます。また、鼻の中の湿度を保つ役割も果たしています。
鼻毛を切りすぎないようにしてください。鼻の奥まで切る必要はありません。エチケットとして、見えなければいいという程度にしておきましょう。せっかく門衛の役を務めてくれている鼻毛を切りすぎるのは、門衛を解雇して泥棒に門を開けてやるようなものです。

