総額150万円かけて20人とお見合いした結果
2020年秋から1年半を婚活に費やした当時34歳の長男は、20人ほどの女性との見合いやデートこそしたものの、それより先には進めないままあえなく撤退した。この間、結婚相談所の入会金や月会費、見合い料、デート代などで総額150万円ほどを、本人いわく「勉強代」として費やした。
当初の息子は結婚相談所が言う「高い成婚率」をそのまま信じ、実績を誇る担当カウンセラーのアドバイスに従い、真面目に婚活に取り組めばいずれ「お相手」が見つかると期待していたようだ。親の私にしても、いかにもキマっているプロフィール写真や見合い時の服装に安心感を覚え、あるいは当人以上に期待していたかもしれない。
ところが現実は「仮交際」(見合い後により親しくなるためのデート)だの「真剣交際」(結婚を視野に入れた1対1の交際)だのと耳慣れない言葉が登場し、毎日のようにデータベースを検索しては「お見合い希望」を出す。相手が了承して見合いになると一流ホテルのラウンジのお茶代を負担し、デートとなったらこれまた一流のレストランを予約するなど聞いてビックリの連続だった。
なぜ真面目で優しいわが子が評価されないのか
おまけに仮交際では複数人の掛け持ちが許されていたから、自分以外の候補者がいるかもしれない「お相手」に時間とお金を使い、外見を比較されたり、気配りやコミュ力を試されたり。結果「お断り」されて落胆する、そんな繰り返しだ。
いったいウチの子の何が悪いのか。どうしてウチの子ではダメなのよ。そのころの私の心境はそんなふうで、真面目で優しい我が子が評価されない怒りや焦りとともに、何をグズグズやってんの、そう息子の要領の悪さを責めたい気持ちもあった。
フリーランスの立場で数々の仕事を開拓してきた私からすれば、何度見合いをしてもこれといった成果を上げられない息子が情けない。いい歳をした息子の男としての力量のなさに、つい厳しい目を向けたくなったりもした。
私だったらもっとうまくやれるのに、そんな上から目線で初の代理婚活に臨んだのは2022年の秋。そこではじめて年齢や年収、大学名や企業名、親の学歴や職業にまでシビアな目が向けられる現実に愕然とし、自分の思い上がりを猛省した。

