条件はいいが親と同居希望の国家公務員
岡田さんの言葉に、その数カ月前に取材したある母親が思い浮かんだ。33歳になる彼女の娘は29歳で結婚相談所に入会、数人の「お相手」と見合いやデートをしたという。見合いをした中には資産があることを自慢して「子どもさえ産んでくれればいい」と言う男性や、趣味に強いこだわりがあってどうにも話が噛み合わない男性がいたりして、「疲れた」と落ち込む娘は8カ月で退会した。婚活を終えたあとはストレスからか脱毛し、職場の人間関係の悩みも重なって一時は鬱のような状態に陥ったという。
そんな娘に「また婚活したらとは言えない」、そう嘆息した彼女の気持ちは痛いほどわかる。
「ほんとに婚活ってむずかしいですよねぇ」などと母親同士で慰め合ったが、そのとき彼女はこうも言っていたのだ。
「娘がお見合いした中に、30代の国家公務員の男性がいたんです。仕事や年収という条件はいいし、なによりすごく優しい人だと言ってました。ただ、男性は結婚後に親と同居したい、大家族で暮らしたいという希望だったんですね」
すぐに「お断り」しなければ良かった
娘から見合いの報告を受けた彼女は、「いまどき同居? 大家族? あり得ないよね」と言い、娘のほうも「優しくていい人だけど、さすがに同居はちょっと……」と乗り気ではない様子。すぐに娘から「お断り」をしたが、あとになってその判断は間違いのように思えた。
「同居したいってことは家族仲がよくていい家庭で育った、だからあんなに優しい人だったとも言えるでしょ? タラレバを言っても仕方ないけど、いいご両親やご家族を持った人と結婚したら、むしろ幸せになれたかもしれない。同居するとかしないとか、何もお見合いの場で決める話じゃないし、何度か会ったり、つきあったりする中で相談させればよかったって、そんなふうに思ったんです」
取材のときにはインパクトがあるほかの男性とのエピソードに気を取られ、たいした興味も持たずに「なるほど」などと受け流してしまったが、岡田さんの言葉を受けて振り返ると違う印象になった。

