ママ友のLINE画像に、ふと心が乱れる

都合3度の代理婚活は散々な結果に終わり、肝心の息子も「俺には婚活は無理だな」とあきらめた様子。もうひとりの息子である次男は端から結婚する気などないようで、「子ども部屋おじさん」と揶揄される実家暮らしのまま、仕事とオンラインゲーム、男友達とのつきあいで日々を過ごす。

母である私と30代後半の息子2人。それぞれ仕事を持ち、経済的余裕もあり、家事を分担したり、一緒に外食をしたりする。これはこれで気楽な生活だ。子どもが結婚しなくてもよしとしよう。そう割り切って暮らしながらも、ふと心が乱れるときがある。

同じ時代に子育てをしていた仲良しのママ友には、小学生を筆頭に4人の孫がいる。「孫なんていたってうるさいだけよ」、「お嫁さんから10万円もするランドセルをせびられて、たまったもんじゃないわ」とサバサバ言う彼女だが、LINEのプロフィール画像は4人の孫が定期的に入れ替わる。

七五三の和装、入学式のスーツに新品のランドセル、紅白帽子をかぶった運動会でのVサイン。「うるさいだけ」とは孫がいない私を気遣ってのことだろう、そうありがたく思う一方で、それぞれの人生が違う方向に進んだことに一抹の寂しさを覚えたりする。

テーブルの上の携帯電話
写真=iStock.com/Farknot_Architect
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息子の結婚は仕事の実績より嬉しい?

私の担当だった同じ歳の女性編集者と久しぶりに顔を合わせたときには、「デパ地下育ちの一人息子が去年結婚したの」と聞かされた。

出版社の正社員として多忙だった彼女は家事にまで手がまわらず、仕事帰りにデパ地下で総菜や弁当を買っていた。当時はそういう自分を自虐してか、「ウチの子はデパ地下育ち」とよく口にしていたが、立派に成長した当の息子は仕事を通じて知り合った女性と家庭を持ったという。

「結婚式ってあんなに感動するものだったかなぁ? 自分のときより何十倍もうれしくて、披露宴ではダンナと一緒に大はしゃぎしちゃったわよ。やっと親の務めを果たしたと思ったら、柄にもなく泣きそうになったりしてさ」

喜色満面の彼女の意外な一面を見て、それが親というものなのか、数々の仕事の実績よりも息子の結婚のほうが断然大きな喜びなのか、そんな思いがチクリと刺さった。