※本稿は、井添結琴『自分を変える戦略書』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
ちょっとした環境の違いが大きな差を生む
ある夏、私はパティオで2つのトマトの苗を育てていました。
同じホームセンターで、同じ日に買った苗。毎日欠かさず、同じ時間に、同じ量の水を与え、大切に育てていました。
しかし、数カ月後に驚くべき違いが現れました。一方の苗は太く力強い枝を伸ばし、次々と実をつけていったのに、もう一方の苗は細く弱々しく、まったく実を結ばなかったのです。なぜ、同じ条件で育てたはずのトマトにこれほどの差が出たのでしょうか。
しばらく不思議に思っていましたが、ある日、日中に庭へ出たときに原因に気づきました。実をつけたトマトは1日中たっぷりと日光を浴びていたのに対し、育たなかったほうの苗は、ちょうどパティオの隣にある大木の影にすっぽりと覆われ、ほとんど日が当たっていなかったのです。隣同士で育てていたにもかかわらず、置かれた環境がほんの数センチ違うだけで、これほどまでに成長の差が生まれるとは驚きです。
環境の違いが数カ月後の在り方にこれほどまでに大きな差を生み出す――これは植物の成長だけに言えることではありません。
私たち人間の成長にも、環境は決定的な影響を与えます。
整った環境では何百倍もの成果が出せる
100メートル走を想像してください。
10キロの重りを足につけて走る場合と、何もつけずに走る場合では、どちらが早く完走できるでしょうか。当然、重りがないほうがより良いパフォーマンスを発揮できます。さらに、普通の靴で走るより、100メートル走専用に作られたハイテクなスニーカーを履いて走ったほうが、より良い結果を出しやすくなるでしょう。
同じ人が同じトラックを走っても、環境によって速度が大きく変わる――これは人生においてもまったく同様です。もちろん、どんな環境にいたとしても、強い意志があれば私たちは自分の人生を変えることができます。
しかし、環境が整っていると、同じ努力をした際、その行動が生み出す成果を何十倍、何百倍にも加速させ、最大化させることができるのです。環境は、私たちの成長を飛躍的に高める追い風にもなれば、前進を阻む向かい風ともなり得るというわけです。

