台風15号の影響で、千葉県の成田国際空港は「陸の孤島」となり、9月9日の夜は1万7000人近くが取り残された。プレジデントオンライン編集部でインターンをしている21歳の大学生も、そのひとりだった。空港で一夜を過ごすことになった彼女は「1人だったが、不安はなかった」と振り返る——。
画像提供=小関 涼々

22時ごろに「上海」から一人で帰国したが…

9月9日22時ごろ、成田空港第一ターミナルに到着した。中国・上海での2泊3日の旅行を終え、一人で帰国したところだった。上海を発つ前に、日本にいる家族から「成田が陸の孤島になっている。今日は空港から帰れないかもしれない」という連絡を受けていた。

飛行機を降り、荷物を受け取る。特に混乱した様子はない。もう電車が復旧したのだろうかと思いつつ到着ロビーに出ると、そこは人であふれかえっていた。地面に座り込む人、旅行会社のカウンターでなにかを尋ねる人、電話を掛ける人。外国人観光客、家族連れ、サラリーマンなど大勢の人でごったがえしている。

空港から出る方法はあるかとサービスカウンターの人に尋ねると、電車が一部動いているらしいが詳細はわからないので、地下1階の鉄道の乗り口まで行って自分で確認してほしいとのこと。鉄道乗り場の標識を頼りに地下に降りようとしたが、人がたまっていてどこに階段があるのかすら確認できない。