Q. 入浴は「就寝前」がいいか「起床後」か?

「熱いお風呂」に要注意

睡眠の質を高めるなら、入浴は「就寝前」が正解です。

※写真はイメージです(写真=iStock.com/stevecoleimages)

人間は、体の中心部の体温が下がると眠くなります。入浴するといったん体温が上がり、あとは急速に下がっていくので、そのタイミングで就寝すれば寝つきが良くなるわけです。入浴後は約90分で体温が下がるので、お風呂を出てから1時間半後を目安にベッドに入るようにしましょう。

就寝前の入浴を勧めるもう1つの理由は、副交感神経が優位になるから。自律神経には交感神経と副交感神経があり、前者は体に積極的な活動をさせる役割を担い、後者は心身をリラックスさせて体を修復します。よって、ぐっすり眠るには仕事のストレスや緊張で交感神経が優位な状態から、副交換神経が優位な状態へと自律神経のスイッチを切り替える必要があります。

そのためには、40℃くらいのお湯に浸かるのが効果的です。良い睡眠のためにはこの温度が重要で、これが42℃になると、逆に交感神経が刺激されてしまいます。またお湯が熱すぎると、血圧が上昇したり、血液の粘度が高まって血栓ができやすくなったりして、脳卒中や心筋梗塞が起こるリスクが高まるので注意が必要です。特に40代以降は皮膚の老化が始まって熱さに対する感覚が鈍るため、お湯の温度をつい上げがちになりますが、温度計や給湯器の温度設定を利用して適切な温度を保つことが大切です。