お金が貯まらない人は値段より割引率を見てしまう
最近たびたび耳にするガイドラインという言葉。改めて調べると、「物事を判断するときの指針・指標となるもの」や「守るべきルールや望ましい行動の指針を定めたもの」という意味となる。判断基準や行動指針となるものだと考えれば、お金の使い方にも応用できるだろう。
お金持ちと言われる人には、総じてお金の使い方に「ガイドライン」があるものだ。自分にとって、これはお金を払う価値があるものか、この金額は、もたらす性能や効果に対して妥当なのか。その基準で判断するからこそ、より有意義な使い方ができる。
しかし我々は、その判断をなんとなく印象まかせで決めてしまうことが少なくない。よくあるパターンは次のようなものだ。
売値そのものよりも50%オフなど割引率のほうを見て、かなりお買い得だと感じさせる値札の仕掛け。飲み放題30分で500円と大きく書き、2時間では2000円でよくある金額だと気づきにくくするメニュー。あるいは、先に数千万円といった大きな金額を見せておき、そのあとで勧める数百万円を安く感じさせる広告。人間の印象など簡単にコントロールされてしまう。
だからこそ、これは高いのか安いのかの判断を決める冷静な基準が大事になるだろう。妥当な価格かを判断するために相場を確認する、相場が分からないなら比較できるデータを調べてみる。むろん価格がよしとしても、自分の価値観や予算と見合うかも大事だ。どんな数字が参考になるか、いくつか挙げてみよう。
大きな買い物は「分解」して考える
①クルーズ料金一人40万円は安いのか
豪華客船で行くクルーズ旅行が人気だという。食事つき、ショーイベントやアクティビティあり、ジムやスパ、カジノも楽しめ、むろん寄港地では上陸して観光ができる。100万円以上のハイプライスのイメージがあり、「自分には関係ないな」と感じるが、国内クルーズだともう少し手ごろな価格になる。10日間日本一周で約40万円と聞くとどうだろう。ここで、なら妥当と思うか、それとも高いと思うだろうか。