居心地がよくて高給でステータスの高い仕事をあっさり捨てる。当然ながら周囲の反応は「もったいない」だった。でも、この人はこう返した。「な、何が?」。もしかしたら早まったかもしれないと思わないわけでもないが、この人は正直にこう綴っている。「私はもう『おいしい』ことから逃げ出したくなったのだ」と。

稲垣えみ子(いながき・えみこ)
1965年、愛知県生まれ。一橋大学社会学部卒。朝日新聞社入社。大阪本社社会部、週刊朝日編集部などを経て、朝日新聞論説委員、編集委員。連載コラム担当時、アフロヘアと肩書のギャップがネット上で大きな話題となった。2016年1月退社。

著者の稲垣えみ子さんは、アフロヘアの朝日新聞編集委員として知られるが、2016年1月に退社し、50歳、夫なし、子なし、無職の人生を新たにスタートさせた。

(小原孝博=撮影)
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