カードを持つなら
クレジットカードは2枚。これが最も賢明な選択です。多すぎる落とし穴と少なすぎるリスクの両方を考慮しての結論です。
「キャッシング」については、2つの注意点を知っておかないと、大きな落とし穴にはまってしまいます。
まず、クレジットカードには無担保でお金を借りられる限度額「キャッシング枠」が設定されています。ただ、例えばカード1枚所持して100万円の枠を持ったとして、5枚持っても、500万円にはならず、100万円の枠が分割されるだけです。
それどころか、信用を落とすリスクが増しかねません。クレジットカードで買い物後に残高が不足。でも少額だし、小さな過失だ……と勝手に思っていても、信用情報にキズがつく。「入金遅れ」という情報が記録されます。
住宅ローンの融資に際して金融機関は、まずその個人信用情報を審査します。リボ払い、延滞……等々、いろいろ足跡を残していると、堅実さに関する評価は大幅減。それが原因で融資を受けられない事態になりかねません。不要なカードは解約しておくべき。その記録は5年経てば消えます。
もう1つ。「堅実型の私はキャッシングは使わないから、枠は無関係」と思ったら大間違い、キャッシング機能の付いたクレジットカードを持てば、同機能をまったく利用しなくても、持った瞬間に影響が出る場合があります。キャッシング枠の分だけ住宅ローンの融資枠を削られることがあるのです。
いざ、住宅ローンで家を建てようとしたとき、例えば本来なら毎月10万円の返済能力があるのに、7万円分しか借りられない事態が起こりえます。
とはいえ、現代はクレジットカード1枚は必要。さらにもう1枚、自宅にスペアを置く計2枚が理想。これなら落としても大丈夫です。
コンサルタント・元メガバンク支店長 菅井敏之(すがい・としゆき)
1960年生まれ。83年三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。支店長を経て48歳で起業。年間7000万円の収入を得る不動産投資家でもある。著書に『家族のお金が増えるのは、どっち!?』『お金が貯まるのは、どっち!?』。
1960年生まれ。83年三井銀行(現・三井住友銀行)に入行。支店長を経て48歳で起業。年間7000万円の収入を得る不動産投資家でもある。著書に『家族のお金が増えるのは、どっち!?』『お金が貯まるのは、どっち!?』。
(構成=小山唯史)