「クレジットカードよりも、デビットカードの方が家計管理しやすい」
こんなセリフを聞いたことはないでしょうか。果たして本当にそうでしょうか? 今回は、家計管理とデビットカードについて考えてみたいと思います。
もしかしたら、デビットカードは持っていないから関係ない、と思われるかもしれません。いえいえ、そんなことはありません。おそらくほとんどの方がすでにデビットカードを持っていると思います。
デビットカードには下記の2種類があります。
(1)「J-Debit」タイプ
銀行のATMで使うキャッシュカードにデビットカードとしての機能が搭載されたもの(キャッシュカードにデビットカードのマークがあります)。よって、このタイプのデビットカードは、みなさんすでにお財布の中に数枚入っていることでしょう。
(2)カード会社が提供するデビットカード
VISAやJCBといったカード会社が、クレジットカードではなく、デビットカードとして発行しているもの。
(1)のJ-Debitの場合、現状は利用できる店が少ないのですが、(2)のカード会社系の場合、VISAやJCBを取り扱っている店であれば、クレジットカードと同様に決済に使えます。J-Debitよりも利用範囲が広いのがメリットです。最近、カード会社系デビットカードの取り扱いを行う金融機関が増える傾向があり、単に「デビットカード」というと、こちらを想像する人が多いかもしれません。
では、家計管理に向いているのは、デビットカード(1)か(2)か、それとも通常のクレジットカードでしょうか。
デビットカード(1と2)と通常のクレジットカードとの大きな違いは、購入のタイミングと実際に口座から代金が引き落とされるタイミングにあります。
通常のクレジットカードは、何か購入するとその場で支払い決済は済み、後日クレジットカード会社から代金の請求を受けます。そして、指定の金融機関の口座から代金が引き落とされる仕組みです。利用者側からすると、購入するタイミングと代金が引き落とされるタイミングに差が生じることから、資金管理の難しさがデメリットとしてよく指摘されます。
一方のデビットカードは(1)(2)ともに基本的に購入と引き落としにタイムラグが生じません。即時決済といって、購入した時点での指定口座の残高に応じて、すぐに代金は引き落とされます。即時に残高が減ることから、お金の使いすぎを防げるとして、冒頭のセリフにつながるようです。確かに、ごもっともな気もします。
しかし、私が「本当にそうかな」と思う主な理由は2点です。
・当座貸越の存在
・金銭感覚の希薄化
ひとつずつ検証していきましょう。