人生で成功をつかむためには何が必要なのか。東大を首席で卒業し、財務省官僚、弁護士、ハーバード留学と輝かしい実績をもつ信州大学特任教授の山口真由さんは「私は人生の早い段階で、自分は『天才』に生まれてこなかったと気づいた。『天才』ではない人が成功するには、『努力型』の人間を目指すべきだ」という――。
※本稿は、山口真由『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある。』(扶桑社)の一部を再編集したものです。
「トップ合格」は求められていない
大人になってからこそ勉強を。
こういうことをいうと、次のような批判を受けることがあります。
「そもそも東大首席卒業など、頭の出来が違う。努力の必要がなくて羨ましい」
残念ながら、この批判は的外れです。
東大の入試にトップの成績で合格した人は、確かに「天才」かもしれません。天賦の才能と運に恵まれない限り、1番は難しい話です。
ただし、入試は、あくまで合格することが目的です。トップで合格することなど、ほとんどの人には求められていません。入試は、合否の試験であり、順位の試験ではないのです。もちろん私もトップで合格したわけではありません。
合格者の枠に入れるかどうかが肝心
父から聞いた話ですが、昔は、入試の不合格者も、聞きに行けば成績を教えてもらうことができたそうです。父の友人は、大学の入試試験を受けて、あと1点足りなかったことで、不合格になってしまったそうです。
上位10番以内で合格しても、ぎりぎりの数百番台で合格しても、合格者であることに変わりはありません。
一方、最下位で合格した人と、父の友人のように1点に泣いた人の間には、合格者・不合格者という明確な違いがあります。
つまり、入試においていえば、とりあえず1番を目指す必要はなく、なんとか合格者のなかに滑り込める実力を身につけることが肝心なのです。