ビジネスでも「3分の1ルール」が効く
この質問に何の迷いもなく「はい」と答えられる人はあまりいないはずです。なぜならば、1番というのは東大トップ合格と同じで、非常に狭いゴールだからです。圧倒的多数の2番手以下は、当てはまりません。1番は一人しかいないからです。
しかし、ビジネスにおいても、1番にならなくてはいけないものはそう多くはありません。たとえば、営業成績が毎月1番ではなくても、コンスタントに上位3分の1には入っている、と胸を張って言えれば、周囲から評価を受けることができます。
コンスタントにこの上位3分の1に入り続けることを目標にすると、評価や結果はおのずとついてきます。そして、上位3分の1に入ることは、努力で勝ち取れる、「努力圏内」の目標なのです。
合格率2%の狭き門に合格したが…
「よく頑張るよね」
私は、この言葉に軽い揶揄を感じてしまいます。努力をせずになんでも軽々とこなす人に比べて、必死に努力する人には、やや痛々しさを感じるからでしょうか。
しかし、私はそれでも努力すべきであるという強い信念を持っています。
私が人生で一番勉強したのは、大学3年生のときに受けた司法試験の口述試験の前でした。論文試験を受けた私は、受かったという確信がありませんでした。
「こんな状況下で口述試験の勉強なんて始めたら、そういう準備をしているときに限って、結局、論文試験にも受からないに違いない」
そう思い、私なりの「験担ぎ」で、私は論文試験後に一切勉強しなかったのです。そしてその「験担ぎ」の成果か、結果はみごと合格。しかし、論文試験の合格発表から口述試験までは、たったの2週間しかありませんでした。
司法試験の論文試験は合格率2%程度の狭き門。それに対して、口述試験の合格率は90%程度。つまり、普通にしていれば受かる試験です。
それにもかかわらず、私は口述試験前に、自分こそが落ちる10%に入るに違いないと思っていました。