集中力を持続させるには何が大切か。産業医の岩見謙太朗さんは「脳のエネルギー源はブドウ糖だが、摂り方を誤るとかえって疲労を加速させてしまう。大切なのは一定量を安定的に供給することだ」という――。

※本稿は、岩見 謙太朗『ハーバード、ペンシルベニア、スタンフォード… 科学的に認められた 疲労回復大全』(実務教育出版)の一部を再編集したものです。

オフィスでドーナツを食べている女性
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なぜ集中力は続かないのか

ここでは、脳の疲労から早く回復する方法、そして疲れを予防する方法を解説します。

その前に、まず脳の性質やエネルギー源、脳が働く仕組みについて整理しておきましょう。脳は、実はとても「燃え尽きやすい臓器」です。重さが体重のわずか2%しかないにもかかわらず、全身のエネルギーの約20%を消費しているのです。

長時間の集中作業や、夜遅くまで残業をしていたり、タスクに追われたりする毎日を送っていると、こうした“頭のガス欠”を感じる人は多いのではないでしょうか。「すぐに集中が切れる」「午後になると頭が回らない」……この原因は、脳が使うエネルギーの種類と、その燃やし方にあります。脳はもともと、長時間フル稼働できるようには設計されていないからです。

私たちの体は、脂肪や糖など、複数のエネルギー源を使い分けて活動しています。しかし、脳は少し特殊です。脂肪はほとんど使わず、おもに「糖(ブドウ糖)」だけを燃料にしています。脂肪はゆっくり燃え続ける「長距離型」。一方、糖は一気に燃える「瞬発型」です。つまり脳は、短時間で強いパフォーマンスを発揮する“短距離スプリンター型”の臓器なのです。勢いよく働ける反面、エネルギー切れも早い。これが「集中力が続かない」「頭がぼんやりする」正体です。

また、脳には糖を蓄えておく“燃料タンク”がほとんどありません。神経細胞(ニューロン)が蓄えられる糖の量はごくわずかで、常に血液からの補給が必要。つまり、脳は「高性能だが、こまめに給油しないと止まってしまうエンジン」なのです。