話し上手な人はどこが違うのか。実業家の永松茂久さんは「『会話が苦手』という人は『苦手だと思い込んでいる』だけだ。まず会話の『べき』『ねばならない』を捨てることから始めたほうがいい」という――。
※本稿は、永松茂久『人は話し方が9割2』(すばる舎)の一部を再編集したものです。
自称「話し下手」たちの呪縛
「苦手な人とも、うまくやっていかなければいけない」
「多くの人から、好かれなければいけない」
「どんな人に対しても、いい人でいなければいけない」
多くの人が、会話において、「ねばならない」「こうしなければいけない」という思い込みを持っています。
もしあなたが、この中の1つでもあてはまっているとしたら、まず最初にお伝えします。
この「べき」があなたを「会話が苦手」と思い込ませている一番の原因です。
そもそも、この「べき」をすべて満たすことができている人などほぼいません。
ということは、この思い込みは会話において必要ないということです。
まずはこの呪縛から抜け出すことが、あなたが会話上手になる第一歩なのです。
会話上手になる一番の近道
「苦手な人とどうやったら、うまく会話ができるでしょうか?」
これまで私がコミュニケーションのサポートをさせていただいてきた中で、一番多かったのがこの質問です。
その数の多さは、それくらいたくさんの人が、苦手な人とうまく話そうとして悩んでいる、ということの証明でしょう。
同時に前作『人は話し方が9割』を出版後にいただいた感想の中で、一番反響が大きかったのも、私がお伝えしたこの部分でした。
「あなたが無理することなく、自然と会話上手になる一番の方法、それは苦手な人と話す時間を極力減らし、自分が話しやすい相手と話す時間を、可能な限り増やすということです」
こう伝えると、真面目な人に限って「そんなことしていいんですか?」「苦手な人ともうまく話さなければいけないのではないですか?」という返事が返ってきます。
もちろん、そうできればそれに越したことはありません。
しかし、それはもう少し会話に自信が持てた後にしてほしいのです。