借金で苦しむ人にはどんな特徴があるのか。元メガバンク支店長の菅井敏之さんは「借金額よりも借り入れ本数に注意が必要だ。収入が下がっても、生活水準を下げられない人は、わずかな借金でも破綻する恐れがある」という――。

※本稿は、菅井敏之『一生お金に困らない! 新・お金が貯まるのは、どっち⁉』(アスコム)の一部を再編集したものです。

通帳を見て心配する夫婦
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破綻原因は「借り入れ総額」より「借り入れ本数」

いま、あなたの借金はいくらありますか?
住宅ローンは残りいくら?
車のローンは?
少額でもスマホのローンが残ったりしていませんか?

多かれ少なかれ、たいていの人が借金を抱えているでしょう。でも、うまく借金して幸せな人生を送る人もいれば、借金によって人生を破綻させてしまう人もいます。

私は銀行員時代、借金を返済できずに自己破産してしまった人を数多く見てきました。じつは、破綻してしまう原因は、借り入れの総額ではなく、借り入れの本数にあります。

住宅ローンで2000万円を借りていても、35年ローンならば、毎月の支払い負担は5万5000円ほどですみます。これなら、返済に困るほどではありません。

しかし、30万円、50万円、100万円のカードローンなど、複数を借りている場合は、高金利によって、月々の返済額がすぐ15万円くらいになってしまいます。

全体の借金は500万円ほどでも、借り入れ本数が多いため、毎月のキャッシュ負担が大きくなってしまう。こうして結局、払いきれずに破綻してしまうケースがとても多いのです。

こういったカードローンの借り入れは、生活資金にあてる場合が多いでしょう。たとえば、高額の教材を買ったり、車を買ったりしたときのローンです。ところが、あるカードローンの返済をするために、別のカードローンを借りたときから、最悪のループが始まってしまいます。