※本稿は、『日本初の女性宰相 高市早苗研究』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。
高市首相の「磨き抜かれた武器」と「弱点」
【編集部】高市政権の政策の話を聞いてきましたが、高市さんの総理としての資質は、男性の総理と比べて、女性としての優位性を感じる部分はあるのでしょうか?
【三浦瑠麗氏(以下、三浦)】あんまり変わりません。強いて言えば、彼女のメディアでのキャリアもありますが、女性であるがゆえに言語表現が磨かれているというところでしょうか。男性のピラミッド社会のパワーポリティクスで勝ち残ってきたわけではないから、コミュニケーションの点で相当説得力がないと上にはいけないのです。
したがって、しゃべる力の高い女性のほうが上に行くので、結果的に女性リーダーには高市さんのように弁が立つ人が多くなります。それは国民に確実に好感されているし、交渉にもプラスになるでしょう。
ただし、彼女はどちらかというと、女性というよりはその個人的性格として、置かれた場所で頑張って宿題をやり遂げるというタイプの努力家なので、活発な意見交換やブリーフィングで要点をつかむリーダータイプではありません。だから、効率は悪いと思います。
「午前3時に打ち合わせ」は非効率
【編集部】ブリーフィングのほうが効率はいいのですか?
【三浦】もちろんです。例えば、1万ページのレポートを読むよりも、AIが要点をまとめた文書を読んだほうが早いですし、AIの要点に対して、さらにどんな質問を投げかければ適切な答えが得られるかをわかっている人が、AI時代にツールを使いこなし、よりパフォーマンスを高められるわけですよね。それと同じです。
一国の総理にとってはありとあらゆるものが自分の業務の範疇です。その全てのものに対してエキスパートになるというのは、原理上不可能です。だから、要点をまとめたブリーフィングに頼らなきゃいけないんですが、分厚い答弁書を一から自分で読んで、夜中の3時にブザーを押して、質問があるときだけ呼ぶっていうのは効率が悪いですよね。
高市さんは、ブリーフィングには官僚の意図が入るので、官僚にコントロールされるのを過度に警戒しているのかもしれません。しかし、ブリーフィングを使いこなすことが総理の条件です。

