※本稿は、『日本初の女性宰相 高市早苗研究』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。
中国で反日運動が起こらない2つの理由
【編集部】存立危機事態の発言以降、中国との関係が厳しくなりました。一方、中国国内ではあまり反日運動が起こっているように見えないのですが、どのようになっているのでしょうか?
【山上信吾氏(以下、山上)】両面あると思います。かさにかかってきている部分とそうでない部分とあります。できたら高市政権を潰したい。できなくても、あの答弁は撤回させたい、ということで、かさにかかって攻めてきている面と、そして、中国国内が制御不能にならないようにコントロールしながらやっている面と、両方あると思います。前者について言うと、外務省の問題もあります。
今回のきっかけは薛剣・駐大阪総領事の暴言でした。ところが中国側は論点をずらしました。薛剣の暴言は中国人でもひどいと思うわけですよ。たかが一総領事が言っていい言葉ではありません。習近平が言うならまだしも、総領事が日本国の総理大臣に、「汚い首」「斬ってやるしかない」。そして「一瞬の躊躇もなく」「覚悟しとけ」。
こんな4点セットで無罪放免となるわけにはいかない、さすがにやりすぎたなと思っている中国人もいます。
沖縄の領有権まで否定し始めた中国
【山上】ところがそこに光が当たらないように、問題は薛剣ではなく、高市さんの予算委員会での答弁だとしたわけです。
典型的な中国外交の論点ずらしなのです。ところが、それに対して、日本の野党はそうだ、そうだと騒いで、外務省も媚中外交が残っていて、結局、薛剣を国外追放できませんでした。
この日本政府の弱さを見て、中国は次から次と、観光客止めるぞとか、留学生止めるぞとか、水産物全面禁輸だ。のみならず、沖縄の領有権も疑わしいとまで言いだしました。さらに、今度は自衛隊機へのレーダー照射もして、経済的・軍事的に威圧してきたのです。中国は相手が毅然と対応しないと、かさにかかって攻めてきます。
特に中国共産党はその傾向が強いんですね。
“水に落ちた犬は叩け”という言葉があります。中国のことわざです。まさに水に落として、そして落ちた犬をコテンパンに叩けということですが、そういう側面があることは間違いありません。
ただし、その一方で興味深いのは、いまだに不買運動につながってはいないことです。

